1週間の振り返りは、今週を採点する時間ではなく、来週の自分に何を手渡すかを決める時間として使うと、来週の行動につながりやすくなります。
金曜の夜や日曜の夕方に「今週はどうだったかな」と考えはじめても、出てくるのは「なんだかバタバタしていた」「あっという間だった」という感想くらい。手帳やノートに「今週の振り返り」と書いてはみたものの、反省点を並べているうちに気が重くなって、3週目にはもう開かなくなっていた。そんな経験に、心当たりはないでしょうか。
振り返りが続かなくなるのは、その時間が「今週の採点」になってしまうことが多いからです。点数をつけるための時間は、うまくいかなかった週ほど開きたくなくなります。この記事では、1週間の振り返り(週次振り返り)を「出来事を並べる」「共通点を見つける」「来週の1つを決める」の15分3ステップで行うやり方と、今週の振り返りにそのまま使える質問20を紹介します。まずは今週の分から、一緒に始めてみませんか。
1週間の振り返りは、今週の採点ではなく来週への手渡し
1日の振り返りが「今日の出来事を残す」ことだとすると、1週間の振り返りの役目は少し違います。7日分を並べてみると、1日だけでは見えなかった「自分はこういうときに進みやすく、こういうときに止まりやすい」という共通点が見えてきます。そして、その共通点を来週の予定に1つだけ反映させるところまでが、週の振り返りの仕事です。
この「来週の1つ」は、決め方で実行されやすさが変わります。アメリカの大きな会社で、社内のインフルエンザ予防接種の案内を社員に送ったときの実験があります。案内だけを受け取った人の接種率は約33%でした。案内に「接種に行く日付」を書き込む欄をつけても、はっきりした差は出ませんでした。ところが、「日付と時刻」まで書き込む欄をつけた人たちは、接種率が約4ポイント高くなったのです。
つまり、「来週は運動する」「来週こそ早く寝る」と決めるだけでは足りず、「何曜日の何時に」まで書いて初めて、来週の自分に手渡せるということです。今週の採点に時間を使うより、この1行を書くことに時間を残しておくことが、週の振り返りを来週につなげるいちばんの工夫です。
1週間の振り返りのやり方:週末15分の3ステップ
ここからは、15分で終わる3つのステップを紹介します。毎日の振り返りの型「出来事 → 感じたこと・考えたこと → 学んだこと」を、1週間分に広げた形です。
| ステップ | 時間の目安 | やること |
|---|---|---|
| ①出来事を並べる | 5分 | 月曜から日曜まで、印象に残った出来事を1日1つずつ書き出す |
| ②共通点を見つける | 5分 | 並べた出来事に感じたこと・考えたことを添えて、進んだときと止まったときの共通点を探す |
| ③来週の1つを決める | 5分 | 共通点から学んだことを、来週の予定に1つだけ、曜日と時刻まで決めて置く |
ステップ1:出来事を並べる(5分)
最初の5分は、評価をせずに出来事を並べるだけの時間です。月曜から順に、その日いちばん印象に残っていることを1つずつ書き出します。思い出せない日は、カレンダーの予定、スマートフォンの写真、送ったメッセージを手がかりにすると、その日の出来事が戻ってきやすくなります。
ここで大切なのは、うまくいったことと、うまくいかなかったことを同じ重さで並べることです。「企画書の初稿を出せた」「後輩の相談に乗った」と同じ並びに、「英語の勉強が2日しかできなかった」「水曜は疲れて何もできなかった」も書いておきます。どちらか一方だけだと、次のステップで共通点が見えにくくなります。
ステップ2:共通点を見つける(5分)
次の5分は、並べた出来事に「そのとき感じたこと・考えたこと」を一言ずつ添えながら、共通点を探します。たとえば次のような形です。
月:企画書の骨子を午前中に作れた(朝いちばんに手をつけたので気持ちが軽かった)
水:英語ができなかった(夜にやろうとしたが、帰宅したら疲れていた)
木:英語を20分できた(昼休みに、会議が流れた時間でやれた)
金:資料の修正が終わらなかった(夕方に頼まれて、後回しにした)
並べてみると、「時間を決めていたもの・朝や昼にやったものは進み、夜や『時間ができたら』にしたものは流れている」という共通点が見えてきます。これが、この週に学んだことです。
共通点はひとつ見つかれば十分です。無理に3つも4つも探そうとすると、また採点の時間に戻ってしまいます。
ステップ3:来週の1つを決める(5分)
最後の5分で、学んだことを来週の予定に1つだけ置きます。上の例なら、「英語は夜ではなく、火曜と木曜の昼休み12時半から15分にする」のように、曜日と時刻まで書くのがポイントです。決めたら、その場でカレンダーやスマートフォンの予定に入れておきましょう。
来週やりたいことが5つも6つも浮かんでも、ここで決めるのは1つだけにしておくのがおすすめです。1つなら、翌週の振り返りで「できたか、できなかったか」をはっきり確かめられます。できなかった場合も、「昼休みは会議で埋まりやすかった」という次の共通点の材料になります。
今週の振り返りに使える質問20
3ステップのどこかで手が止まったときに使える質問を、20個まとめました。毎週すべてに答える必要はありません。その週に合いそうなものを2〜3問選んで使ってみてください。
| ステップ | 質問 |
|---|---|
| 出来事を並べる | 1. 今週、いちばん時間を使ったことは何か 2. 今週、初めてやったことは何か 3. 今週、誰かに「ありがとう」と言った(言われた)のはどんな場面か 4. 今週、予定どおりに進まなかったことは何か 5. 今週撮った写真のなかで、いちばん印象に残っている1枚は何か |
| 感じたこと・考えたこと | 6. 今週、いちばん気持ちが軽かったのはいつか 7. 今週、いちばん疲れたのはいつで、その前に何をしていたか 8. 今週、もやもやしたまま残っていることは何か 9. 今週、思わず時間を忘れていたのは何をしているときか 10. 今週の自分に一言かけるとしたら、何と言うか |
| 共通点・学んだこと | 11. うまくいった日に共通していたことは何か 12. 止まってしまった日に共通していたことは何か 13. 先週と比べて、少しでも変わったことは何か 14. 今週、誰かのやり方で取り入れたいと思ったことは何か 15. 今週の出来事のなかで、来月の自分にも覚えておいてほしいことは何か |
| 来週の1つ | 16. 来週の自分に、ひとつだけ頼むなら何か 17. それを、何曜日の何時にやるか 18. 来週、やらないと決めておきたいことは何か 19. 来週、会っておきたい人・話しておきたい人は誰か 20. 来週の金曜に「これができたらいい週だった」と思えることは何か |
質問を選ぶときのおすすめは、「出来事」から1問、「来週の1つ」から1問を必ず入れることです。この2問があれば、忙しい週でも振り返りの形は保てます。もっと幅広い質問から選びたいときは、振り返りに使える質問一覧も参考にしてみてください。
1週間の振り返りの例(仕事・暮らし・学び)
3ステップで書くと、1週間の振り返りは次のような形になります。そのまま写すのではなく、自分の出来事に置き換えるときの見本として使ってください。
仕事の例
出来事:月曜に週の予定を立てたが、火曜と水曜に急ぎの依頼が入り、予定していた資料作りが金曜までずれた。木曜の朝に1時間だけ集中できた時間で、資料の半分が進んだ。
共通点・学んだこと:午後は依頼や連絡で細切れになりやすく、まとまった作業は朝のほうが進んでいる。
来週の1つ:月・水・金の9時から10時は、カレンダーに「資料作り」と入れて、その時間はチャットの通知を切る。
暮らしの例
出来事:平日は毎晩0時過ぎまでスマートフォンを見ていた。土曜は朝から散歩に出て、久しぶりに気分よく過ごせた。日曜の夜はまた月曜のことを考えて落ち着かなかった。
共通点・学んだこと:朝に外へ出た日は1日の気分がいい。夜にスマートフォンを見る時間が長い日ほど、翌朝起きられていない。
来週の1つ:火曜と木曜は、23時にスマートフォンを充電器に置いて、寝室に持ち込まない。
学びの例
出来事:資格の勉強は5日のうち2日できた。できた2日は、どちらも通勤の電車で問題集を開いていた。家に帰ってからやろうとした日は、一度もできなかった。
共通点・学んだこと:「家に帰ってから」は、自分にとってはほとんど実行されない時間だと分かった。
来週の1つ:月曜から金曜まで、行きの電車に乗ったらまず問題集を10分開く。
仕事の振り返りを、チームで共有する週報の形にしたいときは、仕事の振り返りの書き方と例文で紹介しているKPTなどの型を組み合わせると書きやすくなります。
ふりかえりの習慣化を、AIが伴走する。Stockrをはじめる週の振り返りを続けるための3つのコツ
ひとつ目は、曜日と時刻を固定することです。「週末のどこかで」にしておくと、予定の入った週から順に抜けていきます。「日曜の21時、お風呂のあと」のように、すでにある習慣の直後に置くと忘れにくくなります。来週の1つを曜日と時刻まで決めるのと同じ考え方を、振り返りそのものにも使います。
ふたつ目は、できなかった週は1問だけにすることです。疲れている週ほど、15分の3ステップが重く感じられます。そんな週は、質問16「来週の自分に、ひとつだけ頼むなら何か」だけに答えて終わりにしてみてください。形を小さくしてでも途切れさせないほうが、数か月後に読み返せる記録が残ります。
みっつ目は、先週決めた1つから読みはじめることです。振り返りの最初に、先週の「来週の1つ」ができたかどうかを確かめると、ステップ1の出来事が自然に出てきます。できていなかったとしても、「なぜできなかったか」はそのままステップ2の材料になります。三日坊主になりやすい人は、三日坊主を卒業する5つの仕組みもあわせて読んでみてください。
1日1行の記録があると、週の振り返りは「並べて読むだけ」になる
1週間の振り返りでいちばん時間がかかるのは、ステップ1の「思い出す」部分です。逆に言えば、平日に1日1行ずつでも出来事を残しておけば、週末の振り返りは並べて読むところから始められます。
その置き場所として、ふりかえりジャーナリングアプリStockrを使ってみるのもひとつの方法です。Stockrでは、その日の出来事や感じたことを1行からストックとして残せます。書くことが浮かばない日は、AIと話しながら文章にまとめることもできます。
ストックを書くときに目標をテーマとして選んでおけば、週末にテーマで絞り込んで、その目標に関わる1週間分だけを読むことができます。また、「再発見」の機能で過去のストックが毎日3件戻ってくるので、数週間前の自分が書いた1行に、また出会えます。今週見つけた共通点が、実はひと月前にも書いていたことだった、と気づくこともあるかもしれません。Stockrを使っている方向けには、毎週土曜の朝8時30分から、オンラインで「ふりかえり&目標設定会」も開いています。1人では続かないと感じたときは、週の振り返りの時間として使ってみてください。
まずは今夜、今週の月曜から日曜までの出来事を1日1つずつ書き出してみませんか。最後に、来週の1つを「何曜日の何時に」まで書いたら、今週の振り返りは終わりです。