上期の振り返りの書き方と例文。半年前を思い出せないときは「誰と・何を・どこで」から書き出す

上期の振り返りの書き方と例文。半年前を思い出せないときは「誰と・何を・どこで」から書き出す

2026/10/17

  • #ふりかえり

  • #目標

半年分の頑張りを、ちゃんと言葉にできたらいいのに。上期の評価面談を前に、自己評価シートを開いたまま、そう思ったことはないでしょうか。

4月や5月に何をしていたのか、すぐには出てこない。思い出せるのは、ここ1〜2か月の忙しかった仕事ばかり。書きはじめても「上期は〇〇に注力しました。今後も頑張ります」のような、自分でも手応えのない一文になってしまう。締切が近づくほど、何を書けばいいのか分からなくなっていく。そんな経験に、心当たりはないでしょうか。

この記事では、半年前のことを思い出すための「誰と・何を・どこで」の書き出しと、出てきた出来事を「事実・工夫・下期の一歩」の3段に整える書き方を紹介します。職種別と、目標に届かなかった期の例文もあわせて6つ載せています。上期・前期・今期と呼び方は会社によって違いますが、書き方は同じです。まずは、今日の書き出しから一緒に始めてみませんか。

半年前のことは、「いつ」から思い出そうとすると出てこない

上期の振り返りを書くとき、多くの人は「4月は何をしていたっけ」と、月の順番に思い出そうとします。ところが、この思い出し方はあまりうまくいきません。

オランダの心理学者が、自分自身の毎日の出来事を6年にわたって記録し、あとから「誰と」「何を」「どこで」「いつ」のどれを手がかりにすると思い出せるかを確かめた研究があります。結果は、「いつ」がいちばん弱い手がかりで、「誰と」「何を」「どこで」のほうがずっと出来事を引き出しやすい、というものでした。また、自力では思い出せなかった出来事の多くも、手がかりを渡されると「そういえばあった」と分かったそうです。

つまり、半年前の出来事は消えてしまったわけではなく、思い出すための入口が合っていないだけのことが多いのです。「4月」というカレンダーの入口からではなく、「一緒に仕事をした人」「関わった案件」「行った場所」という入口から入ると、出来事は意外なほど出てきます。

もうひとつ、最近のことほど大きく見えてしまうのも、半期の振り返りで起きやすいことです。9月に大きなトラブルがあると、4月から積み上げてきたことがかすんで、上期全体が「うまくいかなかった半年」に見えてしまう。このずれを直すためにも、まずは判断や評価をせずに、出来事を並べるところから始めます。

手順1:「誰と・何を・どこで」から出来事を書き出す

最初の10〜15分は、評価のことは考えずに、出来事を書き出すだけの時間にします。下の表の問いに、思いつくまま1行ずつ答えてみてください。

手がかり自分への問い
誰と上期にいちばん多くやりとりした人は誰か。新しく一緒に仕事をした人、お礼を言った人、相談に乗った人は誰か
何を関わった案件・業務・会議を全部挙げると何があるか。途中で引き継いだもの、やめたものはあるか
どこで出張や訪問、イベント、研修など、いつもと違う場所に行ったのはどこか
手元の記録カレンダー、送ったメール、チャット、作った資料のフォルダには、何が残っているか

コツは、手元の記録を「答え合わせ」ではなく「手がかり」として使うことです。カレンダーを4月から順に眺めるより、「〇〇さんとのやりとり」をチャットで検索するほうが、その人と一緒に進めた案件や、そのとき困ったことまで芋づる式に出てきます。

この段階では、成果かどうか、評価に書けるかどうかは気にしなくて大丈夫です。「先輩に教わって見積もりの出し方を変えた」「新人の質問に毎日付き合った」のような小さなことも、そのまま書いておきましょう。あとで3段に整えるとき、こうした小さな出来事が「工夫」の材料になります。

手順2:出来事を「事実・工夫・下期の一歩」の3段に整える

書き出した出来事のなかから、上期を代表するものを3〜5つ選びます。目標シートに書いた項目に関係するものを優先し、そこに入らないけれど自分にとって大きかった出来事を1つ足すと、半年の姿が見えやすくなります。

選んだ出来事は、次の3段に整えます。日々の振り返りで使う「事実・気づき・次の一歩」の3行を、半期用に少し変えた形です。

  • 事実:何が起きたか、何をしたか。数字があれば数字で、なければ「誰に・何を・どれくらい」で書く
  • 工夫:うまくいったなら、なぜうまくいったか。うまくいかなかったなら、どこで計画と現実がずれたか
  • 下期の一歩:その工夫やずれを受けて、下期に何を続け、何を変えるか

感想で終わる書き方と比べると、違いが分かりやすくなります。

感想で終わる例

上期は新規開拓に注力し、一定の成果を上げることができました。下期もさらに頑張ります。

3段に整えた例

事実:上期は新規訪問を月平均12件行い、そのうち3社と契約した(目標は4社)。
工夫:5月に、訪問前に相手の会社の求人情報を読んでから行くようにしたところ、初回で課題を聞き出せる割合が上がった。一方、7月以降は既存のお客さまの対応が増え、訪問数が月8件まで落ちた。
下期の一歩:既存対応のうち定型のものを、10月中にチームの共有手順にまとめ、新規訪問の時間を週に半日確保する。

「頑張ります」が消えて、何が効いて、何が足を引っぱり、次に何を変えるのかが読めるようになっています。面談で上司が知りたいのも、たいていこの3つです。

上期の振り返りの例文6つ(職種別・目標に届かなかった期)

ここからは、職種や状況ごとの例文です。そのまま写すのではなく、自分の出来事に置き換えるときの形の見本として使ってください。

例文1:営業

事実:上期の売上は目標比94%。新規契約は5社で、うち3社は既存のお客さまからの紹介だった。
工夫:紹介が増えたのは、4月から契約後1か月の時点で必ず電話をして、使い方の困りごとを聞くようにしたため。一方、自分で開拓したリストからの契約は2社にとどまった。
下期の一歩:契約後の電話を続けたうえで、紹介をくれたお客さまの業種にしぼって新規リストを作り直す。

例文2:事務・バックオフィス

事実:経費精算の差し戻しが、4月の月40件から9月は月15件に減った。問い合わせ対応は上期で約300件。
工夫:差し戻しの理由を2か月分集計したところ、半分が同じ3項目の記入ミスだったため、申請画面の横に置く記入例を作って6月に配った。
下期の一歩:問い合わせの内容も同じように集計し、多いものから順にFAQにまとめる。12月までに3項目を目安にする。

例文3:エンジニア

事実:上期は機能追加を4件リリースし、障害対応は2件。うち1件は自分の担当箇所の確認漏れが原因だった。
工夫:障害のあと、リリース前の確認項目をチームで見直し、自分の担当分はチェックリストにして毎回使うようにした。以降、同じ種類の漏れは起きていない。
下期の一歩:チェックリストをチーム全体で使える形に整えて共有し、レビューの時間を短くできるかを試す。

例文4:企画・マーケティング

事実:上期に企画したキャンペーンは3本。問い合わせ数は前年の上期と比べて1.3倍になった。
工夫:いちばん反応がよかったのは、既存のお客さまの声をそのまま使った6月の企画だった。社内で考えたコピーを使った2本は、前年並みにとどまった。
下期の一歩:お客さまへのインタビューを毎月2件行い、企画の材料を先にためておく。

例文5:チームをまとめる立場

事実:上期にメンバーが2人増え、5人のチームになった。チームの目標は達成率102%。新しい2人は、ともに3か月目から一人で案件を持てるようになった。
工夫:受け入れ時に、最初の1か月は週1回15分の1on1を必ず入れ、困っていることを先に聞く時間にした。一方で、自分の担当業務が後ろ倒しになり、9月に締切の調整を2回お願いした。
下期の一歩:1on1は隔週に減らし、空いた時間で自分の担当業務の一部をメンバーに任せる計画を立てる。

1on1でどんなことを話すかは、1on1の前に5分でできる振り返りメモの記事も参考になります。

例文6:目標に届かなかった期

事実:上期の目標「新サービスの申込100件」に対し、実績は62件。7月までは計画どおりだったが、8月以降の伸びが止まった。
工夫:伸びが止まった時期を調べると、8月に紹介ページの入口を変えたあとから、申込までたどり着く人が減っていた。気づくのに1か月かかったのは、数字を月に1回しか見ていなかったため。
下期の一歩:入口を元の形に戻したうえで、申込の数字を週に1回確認する。11月末の時点で月20件のペースに戻っているかを見る。

目標に届かなかった期ほど、反省の言葉を並べたくなります。けれど、読む人にとって役に立つのは「どこで計画と現実がずれたか」と「次に何を変えるか」です。ずれた場所が具体的に書けていれば、未達の期の振り返りも、下期の計画の土台になります。目標の進み具合を月の途中で確かめるやり方は、目標の振り返りのやり方(4ステップ)にまとめています。

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上期の振り返りを書くときに気をつけたいこと

ひとつ目は、数字は確かめたものだけを書くことです。記憶だけで「約2倍」と書くと、面談で根拠を聞かれたときに困ります。数字が手元にない出来事は、無理に数字にせず「誰に・何を・どれくらい」の言葉で書いておけば十分です。

ふたつ目は、下期の一歩は、出来事ごとに1つにしぼることです。あれもこれもと並べると、半年後の振り返りで「結局どれもできなかった」になりやすくなります。いちばん効きそうな1つを、いつまでに・どのくらい、まで書いておくと、下期の途中でも確かめやすくなります。

みっつ目は、評価の段階を付けるのは最後にすることです。先に「自分はBくらいかな」と決めてしまうと、それに合う出来事ばかりを探してしまいます。出来事を並べて3段に整えたあとで段階を付けると、思っていたより手応えのある半年だった、と気づくことも少なくありません。

自分の仕事を、評価のためではなく「次にどんな仕事を選ぶか」のために棚卸ししたいときは、キャリアの棚卸しワークシートも使ってみてください。

下期は、半年後の自分のために1行ずつ残しておく

上期の振り返りがいちばん大変なのは、半年分の出来事を一度に思い出そうとするからです。逆に言えば、下期のうちに出来事を少しずつ残しておけば、次の振り返りは「並べて整えるだけ」になります。

その置き場所として、ふりかえりジャーナリングアプリStockrを使ってみるのもひとつの方法です。Stockrでは、その日の出来事や気づきを1行からストックとして残せます。書くことが浮かばない日は、AIと話しながら文章にまとめることもできます。

ストックを書くときに目標をテーマとして選んでおけば、半期の終わりにはテーマで絞り込んで、その目標に関わる出来事だけを読むことができます。キーワードで検索することもできるので、「〇〇さん」「〇〇案件」と打てば、この記事の「誰と・何を」の書き出しを、記録から直接たどれます。また、「再発見」の機能で過去のストックが自動で戻ってくるので、数か月前に自分が書いた1行に、半期の途中でもまた出会えます。

まずは今日、上の表の「誰と」の問いに3人分だけ答えてみませんか。そこから、上期の半年が少しずつ戻ってきます。

よくある質問

上期の振り返りと自己評価は、何が違うのですか?

自己評価は、決められた目標に対して自分の出来をS・A・Bなどの段階で付けるものです。上期の振り返りは、その評価の根拠になる「半年のあいだに何が起きて、何を工夫し、次に何を変えるか」を言葉にする作業です。会社のシートでは両方が1枚にまとまっていることが多いので、先に振り返りで材料を出してから、最後に評価の段階を付けると書きやすくなります。

目標を達成できなかった期は、何を書けばいいですか?

届かなかった事実と数字はそのまま書き、そのうえで「どこで計画と現実がずれたか」と「下期に何を変えるか」を書きます。反省の言葉を重ねるより、ずれた箇所と次の一手が具体的に書かれているほうが、読む人にとっても判断しやすくなります。この記事の例文6が、その書き方の例です。

上期・前期・今期の振り返りは、同じ書き方でいいですか?

はい、同じ書き方で大丈夫です。会社によって「上期」「前期」「今期」と呼び方が違うだけで、半年や1年といった一つの期間を区切って振り返る点は同じです。期間が1年なら、この記事の「誰と・何を・どこで」の書き出しを、上期と下期の2回に分けて行うと思い出しやすくなります。