AIで振り返りをするやり方。書いてもらうより「聞いてもらう」と深まる、そのまま使える頼み方12

AIで振り返りをするやり方。書いてもらうより「聞いてもらう」と深まる、そのまま使える頼み方12

2026/10/15

  • #ふりかえり

  • #メモ

ChatGPTに「今日の振り返りをして」と頼んだら、きれいに整った文章が返ってきた。読むと「たしかにそんな1日だった」と思えるのに、翌朝にはもう、何が書いてあったのか思い出せない。そんな経験はないでしょうか。

振り返りや日記が続かなかった人ほど、「AIに手伝ってもらえば楽に続くかもしれない」と考えるものです。実際、AIは振り返りのとても良い相手になります。ただ、頼み方によって、自分の考えが深まる振り返りにもなれば、読んで終わりの要約にもなってしまいます。

この記事では、AIに文章を書いてもらうのではなく、質問を出してもらうという使い方を紹介します。1日・仕事・1週間の場面別に、コピーしてそのまま使える頼み方を12個まとめました。今夜の振り返りで、ひとつ試してみませんか。

AIには「書いてもらう」より「聞いてもらう」

AIに振り返りを頼むとき、多くの人が最初にやるのは「今日あったことをまとめて」というお願いです。出来事を箇条書きで渡すと、AIはそれらしい振り返りの文章を書いてくれます。

けれど、その文章を考えたのは、ほとんどAIです。アメリカの大学の研究チームが、大学生にエッセイを書いてもらった実験では、ChatGPTを使って書いたグループは、道具を使わずに書いたグループに比べて、書き終えた直後に自分のエッセイの一節を引用することが苦手で、「自分が書いた」という感覚も最も低かったと報告されています(まだ専門家による審査の前の報告です)。振り返りでも同じことが起こるとすれば、AIが書いた振り返りは、読んだそばから自分の手を離れていってしまいます。

一方で、振り返りに質問があることには、はっきりした効果が知られています。ドイツの大学の研究チームは、講義の動画を見た学生に振り返りのノートを書いてもらう実験で、「内容をどう整理すると分かりやすいか」「まだ理解できていないのはどこか」といった質問を添えたグループと、何も添えなかったグループを比べました。内容の整理を促す質問を添えたグループのほうが、直後のテストでも、1週間後のテストでも、内容をよく理解して覚えていたのです。

AIの得意なことは、まさにこの「質問を出すこと」です。自分では思いつかない角度の質問を、その場の話に合わせて出してくれる。答えを考えて書くのは自分。この分担にすると、AIは振り返りを代わりにやる相手ではなく、振り返りを深めてくれる相手になります。

そのまま使える、AIへの頼み方12

ここからは、ChatGPT・Claude・Geminiなど、文章で会話できるAIにそのまま貼って使える頼み方です。どれも「AIは質問を出す・答えるのは自分」という分担になるように書いています。ひとつ選んで、今夜の振り返りで使ってみてください。

1日の振り返りを始めるとき

書くことが思いつかない日や、何から書けばいいか分からない日に使う頼み方です。

#こんなときそのまま貼る頼み方
1何を書けばいいか分からない今日の振り返りを手伝ってください。答えは書かずに、質問を1つずつ出してください。私が答えたら、その答えに合わせて次の質問をお願いします。全部で3問まで。
2今日が「何もなかった日」に思える「今日は何もなかった」と感じています。小さな出来事を思い出せるように、時間帯ごとに短い質問を1つずつ出してください。答えは書かないでください。
3気持ちがもやもやしているもやもやしていることがあります。原因を決めつけずに、何が起きて、どう感じたのかを言葉にできるような質問を、1つずつ出してください。

書いたことを深めたいとき

ひととおり書けたあとで、もう一歩だけ掘り下げたいときの頼み方です。自分で書いた文章を一緒に貼って使います。

#こんなときそのまま貼る頼み方
4書いたけれど浅い気がする下に今日の振り返りを貼ります。直したり書き足したりはせずに、「もう少し詳しく知りたい」と思う部分について、質問を2つだけ出してください。
5うまくいった理由を知りたい今日うまくいったことを書きます。なぜうまくいったのかを自分で見つけられるように、質問を1つずつ出してください。理由の候補は言わないでください。
6次にどうするかを決めたい下の振り返りを読んで、「明日、何をひとつ変えるか」を私が自分で決められるような質問を1つだけ出してください。

仕事の振り返りをしたいとき

会議・商談・プロジェクトなど、仕事の場面を振り返るときの頼み方です。社名や人の名前は「A社」「Bさん」のように置き換えて書いてください。

#こんなときそのまま貼る頼み方
7会議や打ち合わせのあと今日の打ち合わせについて振り返りたいです。「何が決まったか」より「自分はどう動いたか」を思い出せる質問を、1つずつ3問出してください。
8失敗して落ち込んでいる仕事でうまくいかなかったことがあります。責めるのではなく、次に活かせる点を自分で見つけられるような質問を、1つずつ出してください。
9上司や先輩に言われたことがある今日、上司から言われたことを書きます。言われた内容を自分の言葉で言い直せるように、質問を2つ出してください。良い悪いの判断はしないでください。

1週間分をまとめて読むとき

1週間ぶんの記録がたまったら、まとめて読み直すときに使う頼み方です。その週に書いたものを貼りつけて使います。

#こんなときそのまま貼る頼み方
101週間をふりかえりたい下に今週の記録を貼ります。くり返し出てくる言葉や出来事を3つ挙げてください。そのうえで、私がどれを大事に思っているかを考えられる質問を1つ出してください。
11自分の変化に気づきたい下に今週の記録を貼ります。週のはじめと終わりで、書き方や気持ちに違いがあれば、決めつけずに「こう読めました」と短く伝えてください。
12来週の目標を決めたい下に今週の記録を貼ります。来週ひとつだけ続けたいこと、ひとつだけやめたいことを、私が自分で決められるような質問を2つ出してください。
AIに聞いてもらった振り返りの、最後の1行を残しておける場所があります。1行から始める

最後の1行は、自分の言葉で書く

AIとのやりとりが終わったら、ひとつだけ大事にしてほしいことがあります。それは、その日いちばん残しておきたい一文を、自分の言葉で書くことです。

会話の中には、自分の答えもAIの言葉も混ざっています。そのまま全部を保存しておくと、あとから読んだときに、どれが自分の考えだったのかが分からなくなってしまいます。会話を見ながら「今日いちばん大事だったのはこれだ」と思う一文を、自分で書き直す。この1行が、AIとの振り返りを自分のものにする部分です。

もうひとつ、慣れてきたらAIの質問を少しずつ減らしていくのもおすすめです。先ほどのドイツの研究チームは、学期を通して振り返りノートを書く学生を調べた別の実験で、毎回質問を添え続けたグループは、学期の後半になると、質問を少しずつ減らしていったグループよりも理解度が下がったと報告しています。書くことに慣れてくると、外から出される質問が、自分で考える邪魔になってしまうのです。

はじめはAIに質問を出してもらい、少しずつ「AIならここで何を聞くだろう」と自分に聞けるようになっていく。それが、AIを使いながら振り返りの力を自分の中に育てていく道すじです。

自分で自分に聞くときの手がかりには、ふりかえりの質問集の質問をそのまま使うこともできます。

AIで振り返るときに気をつけたいこと

AIとの振り返りを安心して続けるために、3つのことに気をつけておきましょう。

ひとつは、人の名前や社外秘の情報をそのまま入れないことです。振り返りでは、同僚やお客さま、家族のことを書く場面も多くあります。「Aさん」「ある案件」のように置き換えても、振り返りには十分です。会話の内容がAIの学習に使われるかどうかはサービスや設定によって違うので、一度、設定画面を確認しておくと安心です。

ふたつ目は、AIの言葉を正解だと思いすぎないことです。AIは、それらしい言葉をすらすらと返してくれますが、自分の気持ちや状況をいちばん知っているのは自分です。AIの読み方が「なんだか違う」と感じたら、その違和感こそが、自分の考えを知る手がかりになります。

みっつ目は、気持ちがつらいときは人に話すことです。AIは振り返りの相手にはなれますが、つらさが何日も続くときは、信頼できる人や専門の窓口に話すことを優先してください。

Stockrなら、AIと話した振り返りを1行ずつ残していける

AIとの振り返りで書いた「最後の1行」を残していく場所として、ふりかえりジャーナリングアプリStockrを使ってみるのもひとつの方法です。

Stockrでは、その日の出来事や気づきを1行からストックとして残せます。書くことが浮かばない日は、AIと話しながら文章にまとめることもできます。書いた言葉には、求めたときにAIがコメントを返してくれるので、自分では当たり前だと思っていたことに、別の角度から光が当たることもあります。

ChatGPTやClaudeでの会話から、そのままStockrに気づきを記録することもできます。詳しくはChatGPTとの対話を「自分のもの」にする方法で紹介しています。書きためた記録は「再発見」の機能で過去のストックが自動で戻ってくるので、少し前の自分が書いた1行に、また出会えます。

アプリ選びから考えたい方には、ジャーナリングアプリの選び方の記事があります。

AIに振り返りを任せきりにするのではなく、AIに聞いてもらいながら、最後の1行は自分で書く。まずは今夜、12の頼み方からひとつ選んで、AIに貼りつけてみませんか。

よくある質問

振り返りに使うAIは、ChatGPTでなくてもかまいませんか?

かまいません。この記事の頼み方は、ChatGPT・Claude・Geminiなど、文章で会話できるAIならどれでも同じように使えます。大事なのはどのAIを使うかより、「文章を書いてもらう」のではなく「質問を出してもらう」頼み方にすることです。

AIにまとめてもらった文章を、そのまま日記にしてはいけませんか?

いけないわけではありませんが、最後の1行だけは自分の言葉で書くことをおすすめします。AIに文章を書いてもらうと、書いた内容を自分のものとして覚えにくくなるという報告があるためです。AIのまとめは下書きとして読み、いちばん残したい一文を自分で書き直すと、記録が自分のものになっていきます。

仕事の振り返りをAIに話しても大丈夫ですか?

社外秘の情報や、同僚・お客さまの名前など個人が分かる情報は、そのまま入力しないようにしましょう。「Aさん」「ある案件」のように置き換えても、振り返りには十分です。会話の内容がAIの学習に使われるかどうかはサービスや設定によって違うので、使う前に一度、設定画面を確認しておくと安心です。