日記を開いて「今日は特に何もなかった」と書けたなら、実はその日はネタがちゃんと残っている日です。日記のネタというと、旅行や事件のような大きな出来事を探してしまいがちですが、日記の中身は案外、食べたもの、天気、誰かの一言、ちょっと気になったことといった、ごく小さな「拾いもの」でできているものです。書くことがないと感じる日は、出来事がない日というより、何を拾えばいいのかという入口が決まっていない日なのかもしれません。
ノートを開いたものの、何を書けばいいかわからないまま閉じてしまった夜や、書こうとすると気がつけば反省点や欠点ばかり書いてしまって、だんだんペンが重くなっていった日に、心当たりはないでしょうか。そんな日こそ、反省する前に、今日の小さな「拾いもの」をひとつ書き留めるところから始めてみませんか。
この記事では、その入口を45個、「書き出しの文」の形でまとめました。空欄(__)を埋めるだけで1行の日記になるので、ノートの前で何を書こうか迷ったときは、ひとつ選んでそのまま書き写してみてください。
日記のネタの使い方
使い方は3ステップです。いまの気分に近いカテゴリを開き、気になった書き出しをひとつ選び、空欄を埋めて1行書く。それだけで今日の日記は成立しますし、書き足りなければ続きを書いてもかまいません。日記の書き方そのものを先に知りたい方は日記の書き方5選を、続かなくなる理由から見直したい方は日記が続かない7つの理由をどうぞ。
同じ「お題」でも、ジャーナリングのお題50選は自分の考えや気持ちを掘り下げる質問が中心で、この記事は今日あったことを軽く拾う書き出しが中心です。深く考える元気がある日は質問のほうを、とにかく1行で終わらせたい日はこちらを、というように使い分けるとちょうどよくなります。1日や1週間を節目としてじっくり振り返りたい日には、振り返りの質問60選のほうが向いています。朝に書く派の方はモーニングノートのやり方も合わせてどうぞ。
1行に慣れてきたら、空欄のあとに「そのときどう感じたか」「そこから何がわかったか」を1文ずつ足してみるのもおすすめです。出来事→感じたこと・考えたこと→学んだことの順に3行並ぶと、軽い日記がそのまま自分のためのふりかえりになります。
何もなかった日に書くネタ(1〜9)
予定もなく、誰とも話さず、1日が静かに終わった日のための書き出しです。出来事ではなく「身のまわりの様子」を1行拾えば、それが日記になります。
- 今日の天気と、そのとき自分がいた場所は__。
- 今日いちばん長く見ていたものは__。
- 今日、いつもより時間がかかったことは__。
- 今日いちばん静かだった時間は__のとき。
- 今日、何度も頭に浮かんだことは__。
- 今日の自分の姿勢や服装を一言で言うと__。
- 今日、いつもと同じだったのに少し違って見えたものは__。
- 今日の1日を映画の予告編にするなら、最初の場面は__。
- 何もなかった今日が、あとから思い出されるとしたら、きっかけは__。
身のまわり・五感のネタ(10〜18)
食べもの・季節・まち・音やにおいなど、目や耳や舌で拾えるものは、毎日あるのに意外と書き留めていない素材です。
- 今日いちばんおいしかったものは__。
- 今日の飲みものは__で、それを飲んだ場所は__。
- 今日食べたものを、色で言うと__色。
- 今日の空の様子は__で、見上げたのは__のとき。
- 今日の気温や風を感じて、季節を感じたのは__のとき。
- 今日、通りがかりで目に入ったものは__。
- 今日聞こえた音で、いちばん印象に残っているのは__。
- 今日のにおいで思い出したことは__。
- 今日、手に取ったもののなかで、触り心地がよかったのは__。
人・仕事・学校のネタ(19〜27)
人との関わりや、仕事・学校の場面は、小さな場面でも自分らしさが出る素材です。誰かを評価する必要はなく、「何があったか」だけで大丈夫です。
- 今日、いちばん長く話した相手は__で、話した内容は__。
- 今日、誰かにかけてもらった言葉で、残しておきたいのは__。
- 今日、自分から声をかけたとき、相手の反応は__。
- 今日の仕事(勉強)で、最初に手をつけたことは__。
- 今日の仕事(勉強)で、いちばん集中できた時間帯は__。
- 今日、少し手こずったことと、そのときの対処は__。
- 今日の会議や授業で、頭に残っている一言は__。
- 今日、「ありがとう」と言った場面は__。
- 今日、見かけた人のなかで、なぜか気になった人は__。
気分・からだ・好きなもののネタ(28〜36)
気持ちや体の調子、好きなものの話は、ネタの定番です。重く考えず、「いまの状態をそのまま写す」くらいの軽さで書いてみてください。
- 今日の気分を天気にたとえると__。
- 今日、体がいちばん軽く感じたのは__のとき。
- 今日、疲れが出たのは__のあたりで、そのとき__をした。
- 今日、思わず笑ったのは__。
- 今日、ちょっとイラッとしたことは__で、今はどう感じているか__。
- 今日見たり聞いたりしたなかで、「いいな」と思ったものは__。
- 今日、スマホで長く見ていたものは__で、それを見てどう思ったか__。
- 最近ハマっているものと、今日それに触れた時間は__。
- 今日、自分にごほうびをあげるなら__。
過去・未来・ちょっと先のネタ(37〜45)
今日の出来事から少し離れて、過去や未来に目を向けるネタです。「何もなかった日」の出番が多いカテゴリでもあります。
- 今日ふと思い出した昔の出来事は__。
- 1年前の今日は何をしていたか、思い出せる範囲で書くと__。
- 子どもの頃、この季節にしていたことは__。
- 最近、前よりも楽にできるようになったことは__。
- 今日の自分に、1年後の自分が言いそうなことは__。
- 明日、ひとつだけやるとしたら__。
- 今週のうちに会いたい人(連絡したい人)は__。
- 近いうちに行ってみたい場所は__で、理由は__。
- 来月の自分が「これをやっておいてよかった」と言うとしたら__。
ネタ選びの時間をなくす、3つのやり方
45個の中から毎日選ぶのも面倒になる日は、選ぶ作業のほうを仕組みにしてしまうのがおすすめです。
- 曜日で決める: 月曜は食べもの(10〜12)、火曜は人(19〜21)、水曜は気分(28〜30)のように、曜日ごとに使うカテゴリを割り当てておく方法です。
- 定番を1つ持つ: 「今日いちばん__だったのは」のように、毎日同じ書き出しを使い、空欄だけ変える方法です。
- 番号で選ぶ: 日付の数字(6日なら6番)で選び、書きにくければ前後の番号に移る方法です。
どれも「考えなくても書き出せる」状態をつくるための工夫なので、続けるうちに自分に合う形に変えてしまってかまいません。ふりかえりノートアプリのStockrでも、使い始めの人向けの「はじめ方ガイド」には毎回テンプレートを添えていて、気に入ったものは保存して次から選ぶだけで書き始められるようにしています。ノートでも同じで、表紙の裏に自分の定番の書き出しを数個書いておくだけで、白紙を前に迷う時間はぐっと短くなります。
書いた日記は、あとで読み返すと「ネタ帳」になる
小さな1行も、積み重なると自分だけのネタ帳になります。1か月前の「今日いちばんおいしかったもの」を読み返すと、その日の空気や一緒にいた人まで思い出せますし、同じ書き出しへの答えを並べてみると、自分の好みや調子の波が見えてきます。何もなかった日の記録ほど、あとから読み返すと「この頃はこんな毎日だったんだ」と愛おしくなるものです。
そのためには、書いた日記が「読み返せる場所」にたまっていることが大切です。ノートでも手帳でもかまいませんし、スマホで手軽に残したい方には、ふりかえりノートアプリ「Stockr」のように、1行から書けるストックと、過去のストックが毎日いくつか戻ってきて昔の自分の言葉にまた出会える「再発見」で、読み返す習慣を支えてくれる道具を使う方法もあります。
今日の日記は、45個のなかからひとつ選んで、空欄を埋めるところから始めてみませんか。
ふりかえりの習慣化を、AIが伴走する。Stockrをはじめる