日記を始めようと新しいノートを開いたものの、「今日は何を書こう」と考えているうちに、1行目が書けないまま閉じてしまった。そんな経験はないでしょうか。
書けなかったのは、文章が苦手だからでも、書くことがない毎日だからでもありません。多くの場合は、何を、どこまで書けば日記になるのかが決まっていないことが原因です。そこでこの記事では、初心者でも迷わず書ける「出来事+気持ち」の2行の日記の書き方と、場面別の例、そして続けるための1週間のはじめ方を紹介します。
日記の1行目で手が止まるのは、書くことの範囲が広すぎるから
日記と聞くと、「今日1日のことを順番に書くもの」「きれいな文章で書くもの」と思い浮かべる人が多いかもしれません。この思い込みがあると、書き始める前に、1日全体を思い出して、どれを書くか選んで、文章に整えるという作業が一度に求められます。これでは、最初の1行目が重くなって当然です。
日記を書き始めるときは、範囲を思い切って小さくします。1日のうちの出来事を、1つだけ書く。これだけで、日記は成り立ちます。1日の全体を残す必要はなく、残したいのは「今日、自分に何があって、自分はどう感じたか」の一場面です。
初心者の日記は「出来事+気持ち」の2行で足ります
書くのは、次の2行だけです。時間は3分かけなくて構いません。
- 出来事を1つ:今日あったことを、事実だけで1行書きます。「朝の電車が遅れた」「同僚に資料をほめられた」「昼に食べたラーメンが美味しかった」など、小さな出来事で十分です。
- そのときの気持ちを一言:その出来事のとき、自分がどう感じたかを短く書きます。「焦った」「うれしかった」「ほっとした」のように、言葉は1つで構いません。
大切なのは、出来事と気持ちをセットで残すことです。気持ちだけを書いた日記は、あとで読み返すと何のことだったか思い出せなくなります。逆に、出来事だけでは、そのとき自分がどう感じていたかが残りません。2つをセットにしておくと、数週間後に読み返したとき、その日の自分の状況ごと思い出せます。
場面別・出来事と気持ちの書き方の例
何を書けばよいか迷う日は、次の例を参考にしてください。出来事は「誰が・何をしたか」を1行にし、気持ちは1語から始めます。
| 場面 | 出来事(1行目) | 気持ち(2行目) |
|---|---|---|
| 仕事の日 | 会議で自分の案を、最後まで聞いてもらえた | ほっとした。次はもう少し早く話してみたい |
| 家で過ごした日 | 夕食を作ったら、家族が「おいしい」と言ってくれた | うれしかった |
| うまくいかなかった日 | 提出期限に間に合わず、上司に謝った | 情けなかった。でも、次は前日に確認したい |
| 何もなかった日 | 昼休みに公園のベンチで15分ぼんやりした | 静かで落ち着いた |
| 人と会った日 | 友人と久しぶりに話して、近況を聞いた | 元気をもらった |
「何もなかった日」でも、日記は書けます。大きな出来事がない日は、小さな出来事をひとつ拾う日です。ぼんやりした15分も、立派な出来事として残せます。書くことを探す視点が育つと、毎日の中の小さな変化に気づけるようになります。
日記を続けるための、がんばらないルール3つ
初心者の日記は、書き始めるよりも、続けるほうが難しいものです。次の3つを決めておくと、気持ちが楽になります。
- 1日全部を書こうとしない:出来事は1つで十分です。2つ以上浮かんでも、いちばん心に残ったひとつだけを選びます。
- 反省会にしない:うまくいかなかった日も、「何があったか」と「どう感じたか」を書くところまでにします。原因探しや反省は、日記の中に必ずしも必要ではありません。
- 書けなかった日を、取り戻そうとしない:3日空いても、昨日の分を無理に書き足さず、今日の2行から再開します。空白の日は、書かなかった日ではなく、休んだ日です。
続かなくなる理由を詳しく知りたいときは、日記が続かないのはなぜ?7つの理由と、明日から「1行」で続ける方法も参考にしてください。
2行の日記に、もう1行足すなら
2行に慣れてきたら、余裕のある日だけ、3行目を足すこともできます。
- 気づいたこと:その出来事から、自分について気づいたことを一言。「焦ると、まず謝ってしまう癖がある」のように。
- 明日ひとつやること:気持ちから、明日ひとつだけ試したいことを書く。「資料は前日の夕方に見直す」のように。
3行目は、書けない日があって構いません。足せる日だけ足すのがコツです。出来事と気持ちの2行が書けていれば、その日の日記は完成しています。
日記を始める1週間のはじめ方
最初の1週間は、無理のない小さな目標から始めます。次の表は、一例です。
| 日 | その日の目標 |
|---|---|
| 1日目 | 出来事を1つだけ書く(気持ちはなくてよい) |
| 2日目 | 出来事+気持ちを一言添える |
| 3日目 | 気持ちの言葉を、昨日と違う言葉にしてみる |
| 4日目 | 「何もなかった日」の小さな出来事を拾ってみる |
| 5日目 | 書く時間を、毎日同じ時間帯に決めてみる |
| 6日目 | 余裕があれば3行目(気づいたこと)を足す |
| 7日目 | 1週間分を読み返して、気づいたことを一言書く |
7日目の「読み返す」が、いちばん大切なステップです。書いた日記を読み返すと、「自分はこの1週間、こんなことで焦って、こんなことでうれしかったのか」と、自分の動きが見えてきます。日記は、書くことよりも、読み返して自分を知ることに価値があります。
日記を書くことでどんな変化が期待できるかは、日記を書く効果とは?続けると感じやすい5つの変化と、知っておきたいデメリットにまとめています。書くことが浮かばない日は、日記のネタ45選の書き出しをそのまま借りてみてください。
ふりかえりの習慣化を、AIが伴走する。Stockrをはじめる書いた2行に、あとで会えるようにしておく
日記は、書いたあとに読み返せる形で残っているかどうかで、続けやすさが変わります。ノートだと、ページをめくって探さなければ昔の自分には会えません。
ふりかえりジャーナリングアプリのStockrは、出来事や気づきを1行から残せるアプリです。出来事、感じたこと・考えたこと、学んだこと、の3つの順に書ける型があり、書けない日はAIと話しながら文章にまとめることもできます。書いた言葉には「再発見」で、あとからまた出会えます。
なお、Stockrには無料プランはなく、7日間の無料体験から使い始めます。まずは今日の出来事をひとつ選んで、2行だけ書いてみてください。
まとめ:1日全部を書かずに、出来事ひとつと気持ち一言から
日記の1行目で手が止まるのは、書く範囲が広すぎるからでした。出来事をひとつ選び、そのときの気持ちを一言添える。この2行が、初心者の日記のいちばん小さな形です。何もなかった日は小さな出来事を拾い、書けなかった日は取り戻さずに今日の2行から再開します。1週間たったら、書いた日記を読み返してみてください。日記がもたらす自分への気づきは、読み返したときに生まれます。
もう少し書き方の選択肢を見たいときは、日記の書き方5選と、続かない理由への対策もあわせてどうぞ。