「会議で、思っていることをスッと言えるようになりたい」。そう思って言語化のアプリを探してみると、お題が次々に出てくるもの、AIと会話しながら文章にまとめるもの、日記のように書きためていくものと、種類がたくさんあって、どれが自分に合うのか決めきれない。そんな状態ではないでしょうか。
言語化は、一度に大きく伸びるものではなく、少しずつ回数を重ねて慣れていくものです。だからアプリを選ぶときは、機能の多さよりも、続けやすいかどうかで比べるのが近道になります。この記事では、言語化トレーニングのアプリを3つのタイプに分けて、見ておきたい4つのポイントと、それぞれの向き不向きを整理します。ふりかえりジャーナリングアプリ「Stockr」をつくっている立場からの見方ですが、Stockrが合わない人についても、正直に書いています。
言語化アプリは、大きく3つのタイプに分かれます
名前や見た目はさまざまですが、言語化のためのアプリは、書くときの入口で大きく3つのタイプに分けられます。
| タイプ | できること | 向いている人 | つまずきやすいところ |
|---|---|---|---|
| お題ドリルタイプ | 毎日お題が出て、それに答える形で練習する | 何を書けばいいか迷って手が止まる人 | 答えた内容が日々の出来事とつながらず、お題に答えること自体が目的になりやすい |
| AI対話タイプ | AIと会話しながら、考えを文章にまとめる | 一人で書き出すのが苦手な人 | 対話が終わると手元に残るのが整った文章だけで、自分の言葉で言い直す機会が減りやすい |
| 書きためて読み返すタイプ | 日々の出来事や気持ちを書き残し、あとから読み返す | 自分の考えの変化を見たい人 | 書く内容を自分で決めるため、最初の数日は何を書くかで迷いやすい |
どのタイプが優れているということではなく、自分が止まりやすいところに合わせて選ぶのがポイントです。何を書くかで止まるならお題ドリル、書き出しで止まるならAI対話、書いたものを活かせないなら書きためて読み返すタイプ、という具合です。お題が欲しいだけなら、アプリを入れなくてもジャーナリングのお題50選のような一覧をそのまま使う方法もあります。
アプリを選ぶ前に見ておきたい4つのポイント
タイプが決まったら、次の4つで比べてみてください。どのタイプにも共通して、続けやすさに直結するところです。
1つ目:1日3分で始められる軽さがあるか
言語化は筋トレに似ていて、1回の長さよりも、回数を重ねることで慣れていきます。最初の入力画面が重たいアプリや、毎回たくさん書かないと完了にならないアプリは、忙しい日に開かなくなります。1行から書き始められるか、1日3分ほどで区切りがつくかを見ておくと、続けやすさがはっきりします。
2つ目:書いた言葉に戻って、言い直せるか
言語化がうまくなったと感じる瞬間は、書いている最中より、数日たって読み返したときに「今ならもっと正確に言える」と気づいたときに訪れることが多いものです。そのためには、過去に書いた言葉を探して読み返せること、できれば読み返すきっかけがアプリのほうから届くことが大切です。書いて終わりになるアプリだと、言い直しの回数が増えません。読み返しを仕組みにする考え方は、書いたメモを読み返す習慣の作り方でも紹介しています。
3つ目:出来事と気持ちを分けて書ける型があるか
「なんだかモヤモヤする」と書いたまま止まってしまうのは、出来事と気持ちと考えが、ひとかたまりになっているからです。出来事、感じたこと・考えたこと、そこから気づいたことを順に書ける型があると、同じ言葉をぐるぐる繰り返さずに、一段ずつ掘っていけます。この3段の書き方は、気づきの例文30選でも場面別に紹介しています。
4つ目:自分の時間に通知が届き、続け方を調整できるか
続かない原因は、意志よりも、書くタイミングを思い出せないことにあります。通知の時間を自分で決められるか、書く日の頻度を自分に合わせられるかも、地味ですが大事なポイントです。毎日でなくても、週に数回から始めて構いません。
言葉にすること自体が、気持ちとの距離をつくる
言語化には、うまく伝えられるようになる以外の良さもあります。感情を表す言葉を選んで名前をつけると、そのときの脳の反応が静まった、という脳画像の実験報告があります(2007年・心理学の学術誌・参加者は約30人)。この実験で調べたのは、感情を表した写真を見ながら、その感情に当てはまる言葉を選んだときの脳の動きで、アプリや日記で書く行為そのものを調べたものではありません。ただ、「何となくモヤモヤする」を「焦りだと思う」「悔しいんだと思う」と言葉に置き換えること自体に、気持ちと少し距離をとる働きがあることを示す手がかりのひとつです。毎日少しずつ言葉にする習慣が、言語化の練習と気持ちの整理の両方になる、という見方ができます。
ふりかえりの習慣化を、AIが伴走する。StockrをはじめるStockrは、どんな人に向いていて、どんな人には向かないか
Stockrは、言語化の練習問題を出し続けるアプリではなく、日々の出来事や気づきを書きためて、読み返しながら自分の言葉を育てていくふりかえりジャーナリングアプリです。先ほどの4つのポイントに当てはめると、次のようになります。
- 1つ目(軽さ):出来事や気づきを1行からストックとして残せます。書き出しに迷う日は、AIと話しながら文章にまとめることもできます。
- 2つ目(言い直し):「再発見」の機能で、過去のストックが毎日3件ほど戻ってきます。自分で読み返す時間をつくらなくても、少し前の自分の言葉に、また出会えます。
- 3つ目(型):出来事、感じたこと・考えたこと、学んだこと、の3つの順で書く型にそって書けます。
- 4つ目(通知):通知は自分の設定した時間に届きます。
向いているのは、お題に答える練習よりも、自分の毎日の出来事から言葉を育てたい人です。一方で、決まったお題をたくさんこなして練習量を稼ぎたい人には、お題ドリルタイプのほうが合います。そのときは、言語化力を鍛える毎日5分の習慣に載せている12のお題を、紙やメモ帳でそのまま使うこともできます。
また、Stockrには無料プランはなく、7日間の無料体験から使い始めます。まずはこの期間に、1行から書けるか、読み返したときに言い直したくなるかを、ご自身の感覚で確かめてみてください。
選んだら、最初の1週間はこう使う
どのアプリを選ぶにしても、最初の1週間は、完璧を目指さずに次の3つだけを試してみませんか。
- 毎日1つ、今日印象に残った出来事を、思いついた言葉のまま書く
- 3日目に、書いたものを1つ読み返して、「要するに?」を1行足す
- 1週間たったら、いちばん言い直したくなった1行を選んで、言い直してみる
アプリ選びで迷い続けるより、まず1週間使ってみて、続けやすさを体で確かめるほうが、確かな判断材料になります。振り返りアプリ全般の選び方に興味があるときは、振り返りアプリの選び方も合わせてご覧ください。