1on1でよく聞かれる質問15と答え方。1on1を「自分のための時間」にする準備

1on1でよく聞かれる質問15と答え方。1on1を「自分のための時間」にする準備

2026/10/29

  • #1on1

  • #ふりかえり

「最近どう?」と聞かれて「特に問題ないです」と答え、進捗の確認だけで1on1が終わる。上司と一対一で自分のことを話す時間は、ふだんの仕事ではあまりありません。何を話せばよいのか構えてしまうのは、よくあることです。

それでも、1on1の前に話すことを考えておこうとしているなら、この時間を自分のために使う準備は、もう始まっています。この記事では、1on1をどんな時間として使うかを確かめたうえで、よく聞かれる質問15と、その答え方を紹介します。

1on1を「自分のための時間」として使う

1on1は多くの場合、部下(メンバー)が仕事の悩みやこれからのことを話すための時間だと説明されています。上司が評価や指示を伝える場とは、目的が少し違います。会社によってやり方は違いますが、この記事ではこの考え方で話を進めます。

1on1で大事なのは、回数よりも中身です。アメリカの大学で、働く人約300人にアンケートをとった研究があります。その結果、仕事への意欲と強く関わっていたのは、1on1の回数よりも、「話を聴いてもらえた」「気にかけてもらえた」と感じられるかどうかでした。

この研究が調べたのは、主に上司の関わり方です。部下の準備がどう役立つかまでは、調べていません。ただ、上司が話を聴こうとしてくれても、こちらに話す材料がなければ、その時間はうまく使えません。このあと紹介する質問15と答え方は、その材料を用意するためのものです。

1on1に臨む姿勢:ふりかえり、なりたい姿、次の一歩

おすすめしたいのは、1on1を次の3つの順で使うことです。

  1. ふりかえり:前回から今日までに起きた出来事を、事実として持っていく
  2. なりたい姿:その出来事が、自分がこの先どうなりたいかとどうつながるかを話す
  3. 次の一歩:次の1on1までに試すことを1つ決めて帰る

3つ目の次の一歩を決めるときは、自分から上司の意見を聞いてみるのも一つの方法です。職場で自分から評価や助言を求めることについては、30年分の研究をまとめた分析があります。それによると、自分から聞きにいく人ほど、仕事の成果がやや高い傾向がありました。ただしその関係は小さく、聞けば成果が上がるとまでは言えません。それでも「次はどこを伸ばすとよいと思いますか」と一つ聞いてみることは、次の一歩を自分で決めるための材料になります。

1on1でよく聞かれる質問15(5つの種類別)

実際の1on1では、上司からの質問で話が始まることが多いものです。言い回しは上司によって違います。ここでは、よく聞かれる質問を5つの種類に分けて、3つずつ並べました。1〜3の種類は、前回からのふりかえりの材料です。4〜5の種類は、なりたい姿を考える材料になります。最後の「今日の1on1で決めておきたいことは?」は、次の一歩につながります。表の右の列は、その場で答えを作るためではなく、何を思い出せばよいかの手がかりです。

1. いまの状態を聞かれる質問

質問答えの出発点
最近どう?2週間のうち、いちばん印象に残った日と、その理由
仕事で「やってよかった」と感じた瞬間は?小さくてよいので、誰かに喜ばれたこと、自分で納得できたこと
最近、いちばん疲れたのはいつ?気持ちが重くなった場面と、その直前に起きたこと

2. 仕事の進み具合を聞かれる質問

質問答えの出発点
前回からいちばん進んだことは?前回の1on1のあと、終わらせたもの・形になったもの
手が止まっていること、気がかりな案件は?後回しにしているもの。なぜ後回しにしているか
今抱えているものの中で、優先順位に迷っていることは?同時に頼まれて、どちらを先にするか決めきれなかったこと

3. 人と環境を聞かれる質問

質問答えの出発点
チームやお客さんとのあいだで、困っていることは?言い方に引っかかった場面、すれ違いが起きた場面
周りに助けてほしいことは?ひとりで抱えて時間がかかっていること
私(上司)にしてほしいこと、やめてほしいことは?「ここで一言ほしかった」と感じた場面

4. 成長を聞かれる質問

質問答えの出発点
最近、できるようになったと思うことは?以前は時間がかかったのに、今回はすんなり進んだこと
次に挑戦してみたいことは?「あの仕事を見ていて、やってみたいと思った」場面
苦手で、避けていることは?声がかかっても手を挙げなかった場面

5. これからを聞かれる質問

質問答えの出発点
半年後、どうなっていたい?いまの仕事の中で、「こうなれたらいい」と思えた瞬間。誰の、どんな仕事を見てそう思ったか
いまの仕事で、続けたいこと・やめたいことは?気持ちが動いた作業と、気持ちが沈んだ作業
今日の1on1で、決めておきたいことは?持っていきたい話題を2つ(これは質問というより、自分への問い)

どの質問も、答えの出発点は「あの場面」という具体的な出来事です。「これから」の質問は、先のことを想像だけで答えようとすると、言葉が出にくいものです。「あの仕事をしていたときは手応えがあった」という過去の出来事から考えると、なりたい姿を言葉にしやすくなります。

答えは「事実・気持ち・相談」の3点で組み立てる

材料が見つかっても、そのまま話すと長くなったり、結局何を言いたいのか伝わらなかったりします。答えは次の3点で組み立てると、短く伝わります。

  • 事実:何があったか(1文)
  • 気持ち:そのときどう感じたか(1文)
  • 相談:どうしたいか、何を聞きたいか(1文)

たとえば「最近どう?」に対して、次の2つを比べてみてください。

「特に問題ないです」

「先週のA社の修正対応は、なんとか期限に間に合いました。ただ、夜に作業が集中して、疲れが抜けていません。来月も同じ流れになりそうなので、依頼を受けるタイミングを相談したいです」

後者は3文で、状態も、気がかりも、頼みたいことも伝わります。3つ目の「相談」は、そのまま次の一歩を決める話題になります。上司の側も、「それなら、依頼の窓口を決めようか」と具体的な案を返しやすくなります。

答えの材料は、毎日1行ずつ貯めておく

質問15の右の列を埋めるには、日々の出来事が手元に残っている必要があります。1on1の直前にまとめて思い出そうとしても、前回からの出来事はなかなか出てこないものです。うまくいったこと、引っかかったこと、相談したいと思ったことのどれかを、1日の終わりに1行だけ書いておきます。1on1の前にそれを読み返して、持っていく話題を2つ選んでおくと、当日は何から話すかで迷わずにすみます。書き方の例は1on1の前に5分の振り返りメモで紹介しています。

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紙のノートでも、スマホのメモ帳でも、続けられるならそれで十分です。ふりかえりジャーナリングアプリのStockrは、出来事や気づきを1行から残せるアプリです。「出来事」「感じたこと・考えたこと」「学んだこと」の順に書ける型があります。書けない日は、AIと話しながら文章にまとめることもできます。書いた記録は「再発見」で毎日届くので、少し前の自分の言葉に、1on1の前でなくてもまた出会えます。Stockrは7日間の無料体験から始められます(無料プランはありません)。

その場で答えが出ない質問は、持ち帰ってよい

準備をしていても、答えられない質問は来ます。「半年後どうなっていたい?」のように、考えたことがない質問はとくにそうです。

そのときは、「少し考えさせてください。次回までに整理して話します」と持ち帰ってかまいません。その場でそれらしい答えを作るより、考えた結果を次回に持っていくほうが、次の1on1で具体的な話ができます。持ち帰った質問はメモに書いておくと、次回の最初の話題がひとつ決まります。

まとめ:1on1を、自分のための時間にする

1on1は、自分の仕事とこれからを考えるための時間として使えます。前回からの出来事をふりかえり、それをなりたい姿とつなげて、次の一歩を1つ決めて帰る。そのつもりで臨むと、同じ1on1でも、終わったあとに手元に残るものが変わってきます。

聞かれる質問は5つの種類に分けておけば、あらかじめ見当がつきます。答えは事実・気持ち・相談の3点で組み立て、材料を毎日1行ずつ貯めておけば、聞かれたその場で言葉を探さずにすみます。まずは今日の1行を書くところから始めてみてください。

よくある質問

1on1と評価面談は、何が違いますか?

評価面談は、一定期間の成果をふりかえって評価を伝える場として行われることが一般的です。1on1は、部下が日々の仕事の悩みやこれからのことを話す場として行われることが多いものの、運用は会社によって違います。迷ったときは、上司に「この1on1では、どんな話をするとよいですか」と一度聞いておくと、準備の方向が決まります。

上司があまり質問してこない場合は、どうすればよいですか?

話したいことを2つ決めて持っていき、始めに「今日は2つ話したいことがあります」と伝えてみてください。この記事の質問15は、聞かれたときに答えるためだけでなく、自分から話す話題を探す手がかりとしても使えます。

持ち帰った質問は、次の1on1でどう切り出せばよいですか?

次の1on1の始めに「前回の〇〇の件ですが」と自分から切り出すと、上司も前回の話を思い出しやすくなります。考えた結果が途中でもかまいません。どこまで考えて、どこで迷っているかを伝えると、そこから一緒に考えてもらえます。