要約力を鍛えるトレーニング。毎日5分、1日を「ひとことで言うと」にまとめる3つのステップ

要約力を鍛えるトレーニング。毎日5分、1日を「ひとことで言うと」にまとめる3つのステップ

2026/10/31

  • #セルフマネジメント

  • #ふりかえり

話しているうちに前置きが長くなって、相手に「つまり、どういうこと?」と聞き返される。報告を書き終えて読み返すと、言いたいことが最後のほうに埋もれている。こうしたことは、仕事をしていればよくあることです。

伝えたいことがたくさんあるときほど、全部を話したくなるのは自然なことです。要約力は、話し方のセンスというより、いくつかの手順をくり返すことで身についていく力です。この記事では、題材に自分の1日を使って、毎日5分で続けられる「要約力トレーニング」を紹介します。

要約力のトレーニングは、何のためにするのか

要約力というと、文章を短く縮める技術を思い浮かべるかもしれません。ただ、短くすること自体が目的ではありません。要約力の中身は、たくさんの出来事や情報の中から「いちばん大事なのはどれか」を自分で決める力です。

大事なことを先に言えるようになると、相手は話の行き先がわかった状態で聞けます。そして、自分にとっても、何が大事だったのかがはっきりします。このトレーニングでは、相手に伝わることと、自分の考えがはっきりすることの2つを目当てにします。

要約は「削る」「まとめる」「ひとことにする」でできている

アメリカの大学の研究チームが、小学5年生から大学院生までに同じ文章を要約してもらい、その出来を比べた報告があります。要約の手順は細かく5つに分けて調べられました。大きくまとめると、いらないところを削る、いくつかを1つの言葉でまとめる、全体を1文で言う、の3つです。

削ることは小学5年生でもほぼできていた一方で、まとめることと、全体を1文で言うことは、学年や経験が上がるほど上手でした。なかでも、文章に書かれていない「全体を言い表す1文」を自分で作るのが、いちばん難しい手順でした。つまり、要約で差がつくのは、削ったあとの「まとめる」「ひとことにする」ところです。

別の研究チームは、小学5年生に、文章の組み立てを手がかりに要約を書く授業を1日45分・11日間行いました。その子どもたちは、ふつうの授業を受けた子どもより、初めて読む文章の大事な内容を多く書けました。どちらも子どもや学生の、文章の要約についての研究で、大人が自分の1日をまとめる練習を確かめたものではありません。

それでも、まとめる力やひとことで言う力は、経験とともに伸びていく力です。毎日の小さな練習で回数を重ねてみる価値はあります。以下のステップは、この「削る・まとめる・ひとことにする」の順番をもとに組み立てています。

毎日5分、1日を要約する3つのステップ

題材は、その日の自分の1日です。毎日かならず手に入り、中身をいちばんよく知っているので、準備がいりません。

ステップ1:今日あったことを3行で書き出す(2分)

まずは削ることを意識せず、今日あったことを3つ、1行ずつ書きます。きれいな文でなくて大丈夫です。

例: 午前中、A社への提案資料を直した 昼に、後輩から進め方の相談を受けた 夕方の会議で、資料の数字の出どころを聞かれて答えられなかった

ステップ2:いちばん大事な1行を選び、理由を書く(1分)

3行のうち、今日いちばん大事だった1行に丸をつけます。そして、なぜそれを選んだのかを短く書きます。ここが、大事なものを「選ぶ」練習です。ほかの2行は消さずに残しておきます。

例:○夕方の会議で答えられなかった。明日の提出までに直さないといけないから

ステップ3:「今日をひとことで言うと」を1文で書く(2分)

最後に、今日をひとことで言う1文を書きます。3行をそのまま並べるのではなく、「つまり、どんな1日だったか」を自分の言葉で言い換えるのがポイントです。ここが、研究でいちばん難しいとされた「全体を言い表す1文を作る」の練習になります。

例:今日は、資料の見た目より、数字の根拠を固めるべきだと気づいた1日

うまく言えない日は、「今日は〜な1日だった」の形にあてはめるだけでも構いません。

続けるための3つのコツ

ひとことは、あとで書き直してよい。その日のうちにしっくりくる1文が出てこないこともあります。仮の1文を置いておき、翌日に読み返して直せば十分です。

いくつかをまとめて呼べる言葉を探してみる。たとえば「提案資料を直した」「会議の準備をした」が並んだら、どちらも「段取り」です。「段取りに追われた」のように、まとめて呼べる言葉を探してみてください。これが「まとめる」の練習です。

1週間分を、さらにひとことにする。週末に7日分の1文を読み返して、「今週をひとことで言うと」を書いてみます。何日も同じ言葉が出てくれば、それが今の自分にとって大事なことの手がかりになります。1週間のまとめ方は1週間の振り返りのやり方で紹介しています。

自分の1日から、ほかの題材へ広げる

自分の1日をひとことで言えるようになってきたら、題材を広げてみましょう。読んだ本を3行とひとことでまとめる方法は読書ノートの書き方で紹介しています。「要するに何が言いたいのか」を掘り下げる練習は、言語化力を鍛える毎日5分の習慣が参考になります。気持ちを言葉にする練習は、感情の言語化トレーニングで紹介しています。

要約力のトレーニングにアプリを使うなら

毎日続けるなら、スマホで書けると手間が減ります。選ぶときは、短く書き始められることと、あとから過去の記録を読み返しやすいことの2つを目安にしてみてください。

ふりかえりの習慣化を、AIが伴走する。Stockrをはじめる

ふりかえりジャーナリングアプリのStockrは、出来事や気づきを1行から残せるアプリです。「出来事」「感じたこと・考えたこと」「学んだこと」の順に書ける型があります。ステップ1と2は「出来事」に、ステップ3のひとことは「学んだこと」に書けます。言葉がまとまらない日は、AIと話しながら文章にまとめることもできます。書いた記録は「再発見」で毎日届くので、数日前の自分のひとことに、また出会えます。Stockrは7日間の無料体験から始められます(無料プランはありません)。

今日を、ひとことで言ってみる

要約力は、たくさんの中から大事なことを選び、自分の言葉で言い換える力です。今日あったことを3行で書き、いちばん大事な1行を選び、ひとことにまとめる。この毎日5分のくり返しが、要約力のトレーニングになります。

まずは今夜、今日あったことを3つ書き出すところから始めてみてください。

よくある質問

要約力は、大人になってからでも鍛えられますか?

鍛えられると考えています。子どもから大学生までを比べた研究では、いらないところを削ることは早い段階でできていて、まとめて言い換えることや、全体をひとことで言うことは、学年が上がるほど上手でした。大人の練習による伸びを確かめた研究ではありませんが、手順を決めて毎日少しずつ練習してみる価値はあります。

本やニュースではなく、自分の1日を題材にするのはなぜですか?

自分の1日は、毎日かならず手に入り、中身をいちばんよく知っている題材だからです。何が大事だったかを自分で判断する練習になるうえ、準備がいらないので続けやすくなります。慣れてきたら、読んだ本や会議の内容に広げてみてください。

ひとことにまとめると、大事なことが抜け落ちませんか?

抜け落ちることはあります。だからこそ、最初に3行で書き出してから、ひとことにまとめる順番にしています。3行の記録は残るので、あとで詳しく思い出したいときはそちらを読み返せます。